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会社の変更登記が必要な理由

会社の変更登記が必要な理由

        

会社の登記変更はなぜ必要?

会社の登記変更が必要となるのは、会社設立時に登記した情報に変更が生じたときになります。会社の登記は、会社の情報を公示することで、安全かつ円滑な取引が実現されることを目的としています。そのため、登記した情報に変更が生じた場合には、変更の登記を行なうことが義務付けられています。

会社の登記に関しては、原則として登記すべき期間が定められています。登記期間は原則としてその登記の事由が発生したときから、本店の所在地においては2週間以内、支店の所在地においては3週間以内とされています。登記期間内に登記の申請をせずに、しばらく経過してから申請をする場合であっても登記申請は登記期間を経過していることを理由として却下されることはありませんが、過料の制裁に処せられる可能性があるので注意しましょう。

主な変更登記には、役員の変更、商号・目的の変更、本店移転・支店設置等、合併・会社分割・株式交換・株式移転・組織変更、新株予約権、資本増加・資本減少、解散・清算結了などがあります。

ここで、それぞれについて詳しく紹介します。

        

役員変更の登記

取締役や監査役などの役員には任期があり、株式会社の場合は原則として取締役は2年、監査役は4年となっています。同じ人が役員を継続する場合でも一度退任したうえで、再度就任したことを登記する必要があります。また、新たな取締役が就任した場合、役員氏名や代表取締役の住所に変更が生じた場合、役員の死亡時にも変更登記が必要となります。

        

商号変更の登記

会社は会社名(商号)をいつでも変更することが可能です。商号変更をするには定款変更のための株主総会の特別決議が必要となります。

        

本店移転の登記

会社の本店を移転した場合には、移転の日から2週間以内に本店移転登記が必要となります。移転の日というのは本店を移転し、移転先で営業を開始した日になります。今までの本店所在地と異なる法務局の管轄区域に本店を移転する場合は旧本店所在地と新本店所在地の両方の法務局に変更登記申請を行う必要があるのですが、旧所在地を管轄している法務局に2件分をまとめて提出すれば旧所在地管轄の法務局から新所在地管轄の法務局へ送付されます。

        

目的変更の登記

会社を設立する時に登記する事項の中に事業目的があります。
会社は定款に記載されていない事業を行うことはできないため、新しい事業を行う場合は目的変更登記をする必要があります。
株式会社の事業目的変更は、株主総会を開催し、その特別決議によって定款を変更することになります。

        

増資の登記

会社が資金調達する手段として金融機関等から融資を受ける以外に、増資を行う方法があります。資本金や発行済株式の総数は登記事項となっていますので、増資を行った場合は変更登記が必要になります。

        

変更登記にあたって注意すべきこと

定款変更の決議

定款記載事項となっている項目については、登記変更の前に定款の変更が必要になります。定款を変更する際には株主総会を開催し、定款変更の決議を得てから株主総会議事録を作成します。登記変更には、その株主総会議事録を添付する必要があります。

支店所在地の登記

会社が支店を設置した場合、支店所在地を管轄する法務局にも商号、本店の所在場所、支店の所在場所を登記しなければいけません。そのため、支店を設置している会社が商号変更や本店移転の登記をする場合は、本店所在地だけでなく、支店所在地でも変更登記申請が必要になります。

取締役の員数

取締役会非設置会社では、定款に別段の定めがない限り、取締役は1名いれば問題ありません。一方で取締役会設置会社においては、取締役は3人以上必要になります。取締役会設置会社において、取締役が退任することにより3名未満となってしまう場合は、後任の取締役を選任するか、取締役会設置会社の定めを廃止する登記をあわせて申請する必要があります。

商号調査

商号変更をするときには、同じ商号の会社が既に存在しないかどうかを商号調査する必要があります。同じ商号の会社と同じ住所でなければ、登記をすることはできますが、もし同じか、類似の商号の会社があると、会社法や不正競争防止法により損害賠償や差止請求を受ける可能性があります。また、他社がその商号を商標として登録している場合には、商標権の侵害にあたる可能性もあるので注意が必要です。

同一の商号の他の会社が存在するかどうかは、以下のオンライン登記情報検索サービスを利用して調査を行うことができます。

法務省ホームページ「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00076.html

変更登記の申請期間

会社法上、会社の登記事項に変更が生じた場合は登記変更を2週間以内に行う必要があります。登記変更の手続きは、管轄する法務局で行うことになりますが、そこで登録免許税という費用がかかります。変更する内容によってかかる費用は異なります。

登記申請を郵送により行うことは可能?

郵送によることも可能です。
この場合の登記年月日は申請書が登記所に到達し受付手続を行った日になります。

登記変更にかかる費用は?

商業登記の変更にかかる登録免許税については、主なものが以下に記載されています。

国税庁ホームページ(登録免許税の税額表)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

登記期限を過ぎてしまった場合は?

全ての会社が必ず過料の制裁を受けるわけではないようで、実際にはどのような基準で過料の制裁を与えられるかは、あまり知られていないところです。しかし変更が生じた際には、速やかに登記申請を行うのが賢明です。